本格的に力の使い方を教わることになったのだが・・・朧は誰にもそれを教わったことはなかった。
朔は雪男が師となると言ったーー上下関係となり、雪男を敬わなければならない。
自分で道筋を立ててこれから行動しなくてはならなくなる。
自分が成長して、それでもなおこの気持ちに疑いがなければいつか告白しようと決めると心が楽になり、朔に促されて居間へ行った朧は、幼さを捨てた。
「これから弟子として教えて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします」
正座して三つ指を折り、深く頭を下げた朧に度肝を抜かれた雪男が、ぽかんと口を開けて梁に寄りかかってにやにやしている朔を見上げる。
「え・・・何これ」
「お前の好きにすればいい。山姫が居なくなる前に使い物になるようにしろ」
一見突き放した風に聞こえるが、朧はそれも気にもしない。
ここには朔という主さまが居て、彼と共に百鬼夜行を行い、悪を正す一員として暮らしていけるーーそれが妖にとってどれほど名誉あることなのか、朧は知っている。
雪男はとても受け入れている風ではなかったが、朧は頭を下げ続けていた。
「いや・・・その・・・ほら、顔上げろよ。俺でできることならやるよ。甘えてきても駄目だからな」
「はい」
顔を上げて雪男を見据えた朧が凛としていて、どきっとした雪男が視線を逸らす。
ああ、このもやもや。
まだ正体は知りたくない。
まだ、知らなくていい。
朔は雪男が師となると言ったーー上下関係となり、雪男を敬わなければならない。
自分で道筋を立ててこれから行動しなくてはならなくなる。
自分が成長して、それでもなおこの気持ちに疑いがなければいつか告白しようと決めると心が楽になり、朔に促されて居間へ行った朧は、幼さを捨てた。
「これから弟子として教えて頂きます。どうぞよろしくお願いいたします」
正座して三つ指を折り、深く頭を下げた朧に度肝を抜かれた雪男が、ぽかんと口を開けて梁に寄りかかってにやにやしている朔を見上げる。
「え・・・何これ」
「お前の好きにすればいい。山姫が居なくなる前に使い物になるようにしろ」
一見突き放した風に聞こえるが、朧はそれも気にもしない。
ここには朔という主さまが居て、彼と共に百鬼夜行を行い、悪を正す一員として暮らしていけるーーそれが妖にとってどれほど名誉あることなのか、朧は知っている。
雪男はとても受け入れている風ではなかったが、朧は頭を下げ続けていた。
「いや・・・その・・・ほら、顔上げろよ。俺でできることならやるよ。甘えてきても駄目だからな」
「はい」
顔を上げて雪男を見据えた朧が凛としていて、どきっとした雪男が視線を逸らす。
ああ、このもやもや。
まだ正体は知りたくない。
まだ、知らなくていい。

