「はっ?朧がここに住む?山姫の代わり?なんだよそれ。俺なんも聞いてないし!」
「今話した」
「いやいや待てよ!修行させるって誰が教えんだよ。主さまそんな余裕あるのか?」
「教えるのはお前。俺は時々」
・・・帰って来るなりまさにぐうの音も出ない俺様っぷりに誰かの姿が重なり、雪男は激しく脱力して肩を落とした。
「せ、先代はなんて?」
「俺に任せると言って下さった」
ーーつまり、頻繁に遊びに来ていた朧が常に傍に居て始終質問責めに遭わなければいけないのかと思うと開いた口も塞がらない。
しかし朔と山姫はさして気にした風でもなく、息吹が庭に植えた花々に柄杓で水をやっていた。
「あの子はとびきり可愛いから、主さまも傍に置いておきたいんでしょう?」
「悪い虫は俺が潰す。全力で」
ぞっとした雪男は、もう何を言っても決定が覆らないことに深い溜め息をつく。
「いじめてやる。泣き帰らせてやる」
「なら俺がお前に乾くことのない氷の涙を流させてやる。夢に出るぞ」
「あーもー!いやだー!」
子供のように大きな声で駄々をこねる雪男が畳の上でひっくり返ると、山姫は首を傾けてそれを不思議がる。
「あの子はきれいになるよ。何が不満なんだい?」
「・・・わかんね」
言いようのない不安、と言うべきか。
それが気持ち悪く、雪男をもやもやさせていた。
「今話した」
「いやいや待てよ!修行させるって誰が教えんだよ。主さまそんな余裕あるのか?」
「教えるのはお前。俺は時々」
・・・帰って来るなりまさにぐうの音も出ない俺様っぷりに誰かの姿が重なり、雪男は激しく脱力して肩を落とした。
「せ、先代はなんて?」
「俺に任せると言って下さった」
ーーつまり、頻繁に遊びに来ていた朧が常に傍に居て始終質問責めに遭わなければいけないのかと思うと開いた口も塞がらない。
しかし朔と山姫はさして気にした風でもなく、息吹が庭に植えた花々に柄杓で水をやっていた。
「あの子はとびきり可愛いから、主さまも傍に置いておきたいんでしょう?」
「悪い虫は俺が潰す。全力で」
ぞっとした雪男は、もう何を言っても決定が覆らないことに深い溜め息をつく。
「いじめてやる。泣き帰らせてやる」
「なら俺がお前に乾くことのない氷の涙を流させてやる。夢に出るぞ」
「あーもー!いやだー!」
子供のように大きな声で駄々をこねる雪男が畳の上でひっくり返ると、山姫は首を傾けてそれを不思議がる。
「あの子はきれいになるよ。何が不満なんだい?」
「・・・わかんね」
言いようのない不安、と言うべきか。
それが気持ち悪く、雪男をもやもやさせていた。

