雪男と共に本邸を守っているのは、山姫という赤茶の長い髪と、どんな男をも骨抜きにする魔性の美女だ。
息吹の育ての親である安倍晴明と夫婦になってからは、幽玄橋を渡った先にある平安町と主さまが治める幽玄町を行き来していた。
「帰りましたよー」
「あ、母様お帰りなさい」
「おや息吹来てたんだね。ちょうどいい、晴明もいるよ」
牛車から降りてきた晴明は、出迎えた朔と息吹に目を細め、山姫の手を引いて玄関に入る。
普段見ない光景に朔は首を傾げ、息吹はにんまり笑って一度手を叩いた。
「ねえ、お茶を煎れるから入って入って」
不思議がる朔の背中を押して居間へ行くと、朧が正座して団子を食べていて、晴明と山姫に代わる代わる撫で回される。
息吹が全員分の湯飲みを運んでくると、急に晴明と山姫が俯いた。
「?お祖父様?」
「発表があります!」
突然息吹が大きな声を出したので朔と朧が驚く中、息吹は喜色満面に声を弾ませた。
「我が家に家族が増えますっ」
「・・・え・・・」
朔が絶句し、朧がきょとんとしていると、息吹は朔の勘違いに大きく首を振る。
「朔ちゃん違うの。家族が増えるっていうのはね・・・晴明様に赤ちゃんが生まれるのっ」
ーー山姫と夫婦になったものの子は作らないと明言していた晴明に、子が生まれるーー
とんだ息吹の発表に、朧がけたたましく立ち上がると晴明の膝にすがりついた。
「お祖父様!おめでとう!」
「ありがとう、朧」
朔が喜びにくしゃりと笑う。
誰もが望んでいた知らせに、その場が騒然となった。
息吹の育ての親である安倍晴明と夫婦になってからは、幽玄橋を渡った先にある平安町と主さまが治める幽玄町を行き来していた。
「帰りましたよー」
「あ、母様お帰りなさい」
「おや息吹来てたんだね。ちょうどいい、晴明もいるよ」
牛車から降りてきた晴明は、出迎えた朔と息吹に目を細め、山姫の手を引いて玄関に入る。
普段見ない光景に朔は首を傾げ、息吹はにんまり笑って一度手を叩いた。
「ねえ、お茶を煎れるから入って入って」
不思議がる朔の背中を押して居間へ行くと、朧が正座して団子を食べていて、晴明と山姫に代わる代わる撫で回される。
息吹が全員分の湯飲みを運んでくると、急に晴明と山姫が俯いた。
「?お祖父様?」
「発表があります!」
突然息吹が大きな声を出したので朔と朧が驚く中、息吹は喜色満面に声を弾ませた。
「我が家に家族が増えますっ」
「・・・え・・・」
朔が絶句し、朧がきょとんとしていると、息吹は朔の勘違いに大きく首を振る。
「朔ちゃん違うの。家族が増えるっていうのはね・・・晴明様に赤ちゃんが生まれるのっ」
ーー山姫と夫婦になったものの子は作らないと明言していた晴明に、子が生まれるーー
とんだ息吹の発表に、朧がけたたましく立ち上がると晴明の膝にすがりついた。
「お祖父様!おめでとう!」
「ありがとう、朧」
朔が喜びにくしゃりと笑う。
誰もが望んでいた知らせに、その場が騒然となった。

