立ち上がるのにも一苦労するほどに腹が大きくなってくると、銀が付きっきりで離れなくなった。
持病になってしまった胸の病の件もあるので、若葉が少し咳き込む度にはらはらしてどこかに出かけることもできない。
息吹が心配して料理を作りに来てくれたり、また赤子を練習台にして襁褓の替え方を練習したりして日々を過ごし、若葉が少しずつ母親になっていくのを近くで見ていた銀もまた、子育てを手伝うべく一緒に襁褓の替え方の練習をしていた。
「使ってない襁褓がうちに沢山あるから貰ってね。ねえ若葉、耳と尻尾がある赤ちゃんが生まれたらいっぱい触らせてね」
「うん、いいよ。もう男の子だってわかってるし、あんまり触りすぎると主さまがやきもち妬いちゃうかも」
「ふふっ、主さまは赤ちゃんにやきもち妬いたりしないよ。ねー、猫ちゃん」
「主さまは妬くにゃ。妬きまくって息吹を困らせるにゃ」
庭で腹を出して息吹に撫でてもらっていた虎柄の猫又がそうからかうと、若葉は大きな腹を撫でてつらそうに息を吐いた。
なんだかさっきから腹の奥がずきずきしているような気がして、しかもそれには波があって痛い時とそうでない時がある。
最初はそれを銀たちに訴えずに我慢していたのだが――
「ぎんちゃん…お腹が…痛いかも…」
「なに?お前まさか…陣痛が始まったんじゃ…」
苦しそうに顔を歪める若葉を見て気が動転した銀がおたおたしながら若葉の身体を支えると、その様子を見た息吹は、目を真ん丸にして猫又の身体を揺すった。
「ね、猫ちゃん、今すぐ主さまや母様たちを呼んで来て!若葉に陣痛がきたから準備しなきゃ!」
「わかったにゃ!」
短い息を吐いて激痛に耐えている若葉を床に寝かせると、銀は元々白い頬をさらに真っ白にさせて動揺してしまい、動けなくなる。
その間に息吹は動き回って湯を沸かしたり新しい手拭いを用意したりで、銀は全く役に立たなかった。
「い、息吹…俺は何をすれば…」
「銀さんは若葉の傍に居てあげるだけでいいから!あっ、母様来てくれてありがとう!若葉、お姉ちゃんが赤ちゃんを取り上げてあげるから安心して」
「う、ん…。お姉ちゃん…痛い…お腹が…」
「早く出て来たいって言ってるんだよ。元気な子を生んであげようね」
脂汗をかきながら頷いた若葉の手をぎゅっと握った銀は、我が子を生んでくれる若葉を安心させようと手に尻尾を握らせてずっと励まし続けた。
持病になってしまった胸の病の件もあるので、若葉が少し咳き込む度にはらはらしてどこかに出かけることもできない。
息吹が心配して料理を作りに来てくれたり、また赤子を練習台にして襁褓の替え方を練習したりして日々を過ごし、若葉が少しずつ母親になっていくのを近くで見ていた銀もまた、子育てを手伝うべく一緒に襁褓の替え方の練習をしていた。
「使ってない襁褓がうちに沢山あるから貰ってね。ねえ若葉、耳と尻尾がある赤ちゃんが生まれたらいっぱい触らせてね」
「うん、いいよ。もう男の子だってわかってるし、あんまり触りすぎると主さまがやきもち妬いちゃうかも」
「ふふっ、主さまは赤ちゃんにやきもち妬いたりしないよ。ねー、猫ちゃん」
「主さまは妬くにゃ。妬きまくって息吹を困らせるにゃ」
庭で腹を出して息吹に撫でてもらっていた虎柄の猫又がそうからかうと、若葉は大きな腹を撫でてつらそうに息を吐いた。
なんだかさっきから腹の奥がずきずきしているような気がして、しかもそれには波があって痛い時とそうでない時がある。
最初はそれを銀たちに訴えずに我慢していたのだが――
「ぎんちゃん…お腹が…痛いかも…」
「なに?お前まさか…陣痛が始まったんじゃ…」
苦しそうに顔を歪める若葉を見て気が動転した銀がおたおたしながら若葉の身体を支えると、その様子を見た息吹は、目を真ん丸にして猫又の身体を揺すった。
「ね、猫ちゃん、今すぐ主さまや母様たちを呼んで来て!若葉に陣痛がきたから準備しなきゃ!」
「わかったにゃ!」
短い息を吐いて激痛に耐えている若葉を床に寝かせると、銀は元々白い頬をさらに真っ白にさせて動揺してしまい、動けなくなる。
その間に息吹は動き回って湯を沸かしたり新しい手拭いを用意したりで、銀は全く役に立たなかった。
「い、息吹…俺は何をすれば…」
「銀さんは若葉の傍に居てあげるだけでいいから!あっ、母様来てくれてありがとう!若葉、お姉ちゃんが赤ちゃんを取り上げてあげるから安心して」
「う、ん…。お姉ちゃん…痛い…お腹が…」
「早く出て来たいって言ってるんだよ。元気な子を生んであげようね」
脂汗をかきながら頷いた若葉の手をぎゅっと握った銀は、我が子を生んでくれる若葉を安心させようと手に尻尾を握らせてずっと励まし続けた。

