若葉の腹は順調に大きくなっていった。
それでも心配性な息吹は何かと理由をつけては屋敷へ来て世話を焼いてくれて、銀も若葉もとても助かっていた。
またそろそろ百鬼夜行を継ぐ朔も頻繁に顔を出しては若葉の好きな飴や花を置いて行き、時々銀をもやっとさせていた。
「あいつはやはりお前に惚れているんじゃないのか?」
「朔ちゃんが私を?それはないと思うよ。あんなにかっこいいのにもったいないよね」
「あいつは半妖だが力は半端なく強い。十六夜と息吹の良い資質だけを受け継いだ感じだな。やや性格に難ありだが」
朔を誉めると必ず食ってかかってくる銀が唇を尖らせながら若葉に薬湯を手渡す。
若葉の腹は目に見えてふっくらして、時々若葉の身体が傾いで笑顔を見せる時は、腹の中から子が蹴っているのだと教えてもらった。
「よく動く子だな。まさか腹を突き破って出て来るんじゃ…」
「私はそれでもきっと幸せ。ねえぎんちゃん…私とぎんちゃんの赤ちゃんも半妖だけど、みんな仲良くしてくれると思う?いじめられたりしないかな」
「朔が半妖なのだから、それはないだろう。雪男もそうだし、きっと皆が優しくしてくれる」
安心したようにほっと息をついて床から立ち上がった若葉の身体を支えた銀は、あたたかい日差しの降り注ぐ縁側に若葉を座らせてやると、庭の花に集まる蝶や鳥の姿に瞳を細めた。
若葉と息吹が丹精込めてせっせと植えた花は主さまの屋敷に負けず劣らずで、寝込んでばかりいる若葉の気を和らげている。
この子が無事に生まれて来た後はまた家族でどこかに出かけて、短い人生を謳歌させてやろうと考えているが、若葉は家に居たいと言った。
「どんな所にでも連れて行ってやるぞ。どこに行きたい?」
「私はここに居たい。ぎんちゃんと赤ちゃんと3人で居られればそれでいいの。…いや?」
逆に聞き返されてすぐに首を振った銀は、長い尻尾で若葉の手をくすぐりながら、つらそうに息を吐いた若葉の大きな腹を撫でた。
「お前がいいならそれでいい。しかし大きくなった。もうそろそろ生まれてくるんだろう?」
「うん、もうすぐだよ。お姉ちゃんがお産を手伝ってくれるって言ってたから…ここで生んでもいい?」
「ああ、いいとも。おい、あまり若葉を苦しませるんじゃないぞ。いいな?」
腹の子に向けて呼びかけた銀のふかふかの耳を撫でた若葉は本当に幸せで、愛しげに腹を撫でて無事のお産を願った。
それでも心配性な息吹は何かと理由をつけては屋敷へ来て世話を焼いてくれて、銀も若葉もとても助かっていた。
またそろそろ百鬼夜行を継ぐ朔も頻繁に顔を出しては若葉の好きな飴や花を置いて行き、時々銀をもやっとさせていた。
「あいつはやはりお前に惚れているんじゃないのか?」
「朔ちゃんが私を?それはないと思うよ。あんなにかっこいいのにもったいないよね」
「あいつは半妖だが力は半端なく強い。十六夜と息吹の良い資質だけを受け継いだ感じだな。やや性格に難ありだが」
朔を誉めると必ず食ってかかってくる銀が唇を尖らせながら若葉に薬湯を手渡す。
若葉の腹は目に見えてふっくらして、時々若葉の身体が傾いで笑顔を見せる時は、腹の中から子が蹴っているのだと教えてもらった。
「よく動く子だな。まさか腹を突き破って出て来るんじゃ…」
「私はそれでもきっと幸せ。ねえぎんちゃん…私とぎんちゃんの赤ちゃんも半妖だけど、みんな仲良くしてくれると思う?いじめられたりしないかな」
「朔が半妖なのだから、それはないだろう。雪男もそうだし、きっと皆が優しくしてくれる」
安心したようにほっと息をついて床から立ち上がった若葉の身体を支えた銀は、あたたかい日差しの降り注ぐ縁側に若葉を座らせてやると、庭の花に集まる蝶や鳥の姿に瞳を細めた。
若葉と息吹が丹精込めてせっせと植えた花は主さまの屋敷に負けず劣らずで、寝込んでばかりいる若葉の気を和らげている。
この子が無事に生まれて来た後はまた家族でどこかに出かけて、短い人生を謳歌させてやろうと考えているが、若葉は家に居たいと言った。
「どんな所にでも連れて行ってやるぞ。どこに行きたい?」
「私はここに居たい。ぎんちゃんと赤ちゃんと3人で居られればそれでいいの。…いや?」
逆に聞き返されてすぐに首を振った銀は、長い尻尾で若葉の手をくすぐりながら、つらそうに息を吐いた若葉の大きな腹を撫でた。
「お前がいいならそれでいい。しかし大きくなった。もうそろそろ生まれてくるんだろう?」
「うん、もうすぐだよ。お姉ちゃんがお産を手伝ってくれるって言ってたから…ここで生んでもいい?」
「ああ、いいとも。おい、あまり若葉を苦しませるんじゃないぞ。いいな?」
腹の子に向けて呼びかけた銀のふかふかの耳を撫でた若葉は本当に幸せで、愛しげに腹を撫でて無事のお産を願った。

