妊娠している息吹と身体の弱い若葉は酒を飲まずにその場に居ただけなのだが、話が弾んでいつの間にか深夜になってしまい、若葉がうとうとし始めた。
銀のふかふかの尻尾があたたかくて、尻尾をずっと握り続けていたせいもあったのだがついに寝込んでしまい、若葉を抱き上げた銀は、手を振る息吹に肩を竦めた。
「お前も早く寝た方がいい。あと数日で出産なんだろう?」
「うん、もう寝るよ。銀さん、腹帯忘れないでね」
「ああ、こいつが握って離さないから忘れるものか」
息吹に腹帯を譲ってもらってから腹帯を離さなかった若葉を笑った銀は、客間に入ってあらかじめ敷いてもらっていた床に若葉を下ろすと、肩を揺すって起こした。
「若葉、寝る前にそれをつけてやる。子が欲しくないのか?」
「!あ、寝ちゃってた…。駄目、赤ちゃん欲しいからぎんちゃん早くつけて」
うとうとして身体を揺らしつつも起き上がった若葉の帯を外して浴衣を脱がすと、若葉の腹に腹帯を巻き付けてしっかりまた浴衣を着せてやると、若葉は銀の腰に抱き着いて動かなくなった。
「おい、どうした?…おい、若葉?」
「ぎんちゃん…きっとこれで…赤ちゃん…」
「…ああ、ありがたい縁起のいい腹帯だからきっと大丈夫だ。それに腹が冷えなくていいじゃないか。さあ、横になれ」
若葉を横たえさせて隣に潜り込んだ銀は、若葉を腕に抱いて温めてやりながら、また息吹に感謝をする。
…息吹はいつも奇跡を起こす。
その身に神を宿らせているせいもあるのだろうが、何度感謝をしてもし足りない。
「…赤…ちゃん…」
そのまま眠りこんでしまった若葉はその夜――不思議な夢を見た。
色とりどりの花々で髪を飾った天女のように美しい女性が、小さくてとても可愛い赤子を腕に抱いて夢に現れたのだ。
その赤子の頭の左右には銀色の耳が。
可愛らしい小さなお尻には、銀色の尻尾が。
そしてその男の子の瞳は濃紺で、赤子ながらも間違いなく銀に似ていた。
『さあ、母のところへ行きなさい』
『母って…私のこと…?わあ……可愛い……』
天女が差し出した赤子を腕に抱くと、はっきり若葉を見据えて、笑った。
感激して嬉しくて幸せで――
翌朝目覚めた時には目尻には涙の痕があり、そして体調の変化を悟った。
それからしばらくして生理が止まり――
若葉は、妊娠した。
銀のふかふかの尻尾があたたかくて、尻尾をずっと握り続けていたせいもあったのだがついに寝込んでしまい、若葉を抱き上げた銀は、手を振る息吹に肩を竦めた。
「お前も早く寝た方がいい。あと数日で出産なんだろう?」
「うん、もう寝るよ。銀さん、腹帯忘れないでね」
「ああ、こいつが握って離さないから忘れるものか」
息吹に腹帯を譲ってもらってから腹帯を離さなかった若葉を笑った銀は、客間に入ってあらかじめ敷いてもらっていた床に若葉を下ろすと、肩を揺すって起こした。
「若葉、寝る前にそれをつけてやる。子が欲しくないのか?」
「!あ、寝ちゃってた…。駄目、赤ちゃん欲しいからぎんちゃん早くつけて」
うとうとして身体を揺らしつつも起き上がった若葉の帯を外して浴衣を脱がすと、若葉の腹に腹帯を巻き付けてしっかりまた浴衣を着せてやると、若葉は銀の腰に抱き着いて動かなくなった。
「おい、どうした?…おい、若葉?」
「ぎんちゃん…きっとこれで…赤ちゃん…」
「…ああ、ありがたい縁起のいい腹帯だからきっと大丈夫だ。それに腹が冷えなくていいじゃないか。さあ、横になれ」
若葉を横たえさせて隣に潜り込んだ銀は、若葉を腕に抱いて温めてやりながら、また息吹に感謝をする。
…息吹はいつも奇跡を起こす。
その身に神を宿らせているせいもあるのだろうが、何度感謝をしてもし足りない。
「…赤…ちゃん…」
そのまま眠りこんでしまった若葉はその夜――不思議な夢を見た。
色とりどりの花々で髪を飾った天女のように美しい女性が、小さくてとても可愛い赤子を腕に抱いて夢に現れたのだ。
その赤子の頭の左右には銀色の耳が。
可愛らしい小さなお尻には、銀色の尻尾が。
そしてその男の子の瞳は濃紺で、赤子ながらも間違いなく銀に似ていた。
『さあ、母のところへ行きなさい』
『母って…私のこと…?わあ……可愛い……』
天女が差し出した赤子を腕に抱くと、はっきり若葉を見据えて、笑った。
感激して嬉しくて幸せで――
翌朝目覚めた時には目尻には涙の痕があり、そして体調の変化を悟った。
それからしばらくして生理が止まり――
若葉は、妊娠した。

