空を覆っていた神々しい光が収まり、ようやく緊張から解き放たれた銀は、腰を上げると隣に立っていた主さまの袖を握りしめた。
「聞いたか?」
「ああ。銀、俺は今すぐ息吹の元に戻る。また息吹が木花咲耶姫に身体を乗っ取られたら…」
「俺も行く。若葉の元に戻って…このことを伝える。お前も同席してくれ」
「…わかった」
話がまとまって早速いざ飛び立とうとした主さまたちの背中を咳払いが叩いた。
振り返ると、潭月が腰に手をあてて偉そうにしながら、自らを指差してにやりと笑った。
「息子よ、俺に何か言うことはないか?」
「…助かった」
「それだけか。まあいい、近いうちにお前の嫁と孫たちに会いに行く。まさか断るわけではあるまいな」
「……」
黙り込んだ主さまの態度が面白くて仕方のない潭月は、笑い声を上げながら鬼族たちを引き連れて主さまと銀に手を振った。
「久々に面白いものを見れた。俺の助けが欲しくばまた訪ねに来るがいい」
自分たちよりも先に潭月らがその場から離れると、主さまは表情を曇らせている銀の肩を抱いて、諭した。
「命の期限はあるが、転生すると言っていたぞ。若葉は再び若葉として生まれ変わる。お前はこれから若葉が妖として転生するように祈り続けろ。祈りが届くとわかった今、お前がすべきことはそれしかない」
「十六夜…ああ、わかった。俺は俺にできることをする。迷惑をかけたな、だが助かった。若葉は…また俺と共に生きるんだ」
――ようやくふっと微笑した銀と共に、主さまは一路晴明の屋敷を目指した。
息吹に礼をしたいと言った銀もまた一緒に屋敷に着くと、その時息吹はもう帰ろうとしていたらしく、庭先に降りて上空を駆ける主さまたちを見上げていた。
「あ、主さまと銀さん!どうだった?若葉はどうなるのっ?」
「帰ってからゆっくり話す。息吹…難儀だったな」
「ううん、私にできることってそれくらいだし…。よく覚えてないけど、木花咲耶姫様がきっと助けてくれるって信じてたから」
主さまが小さく笑って息吹の頭を撫でていると、晴明がのそりと屋敷の奥から出て来て、銀が浮かべている微笑に高千穂での首尾を悟った。
「では私も同行しようかな。どうなったか知りたいからね」
「父様!うん、一緒に来てっ」
すぐ晴明の傍に駆け寄って行ってしまった息吹にむっとした表情を浮かべた主さまは、銀の尻尾がまた動かなくなったので、緊張しているのだと知って尻尾をつねった。
「若葉が待っている。早く戻るぞ」
真実を、告げなければ――
「聞いたか?」
「ああ。銀、俺は今すぐ息吹の元に戻る。また息吹が木花咲耶姫に身体を乗っ取られたら…」
「俺も行く。若葉の元に戻って…このことを伝える。お前も同席してくれ」
「…わかった」
話がまとまって早速いざ飛び立とうとした主さまたちの背中を咳払いが叩いた。
振り返ると、潭月が腰に手をあてて偉そうにしながら、自らを指差してにやりと笑った。
「息子よ、俺に何か言うことはないか?」
「…助かった」
「それだけか。まあいい、近いうちにお前の嫁と孫たちに会いに行く。まさか断るわけではあるまいな」
「……」
黙り込んだ主さまの態度が面白くて仕方のない潭月は、笑い声を上げながら鬼族たちを引き連れて主さまと銀に手を振った。
「久々に面白いものを見れた。俺の助けが欲しくばまた訪ねに来るがいい」
自分たちよりも先に潭月らがその場から離れると、主さまは表情を曇らせている銀の肩を抱いて、諭した。
「命の期限はあるが、転生すると言っていたぞ。若葉は再び若葉として生まれ変わる。お前はこれから若葉が妖として転生するように祈り続けろ。祈りが届くとわかった今、お前がすべきことはそれしかない」
「十六夜…ああ、わかった。俺は俺にできることをする。迷惑をかけたな、だが助かった。若葉は…また俺と共に生きるんだ」
――ようやくふっと微笑した銀と共に、主さまは一路晴明の屋敷を目指した。
息吹に礼をしたいと言った銀もまた一緒に屋敷に着くと、その時息吹はもう帰ろうとしていたらしく、庭先に降りて上空を駆ける主さまたちを見上げていた。
「あ、主さまと銀さん!どうだった?若葉はどうなるのっ?」
「帰ってからゆっくり話す。息吹…難儀だったな」
「ううん、私にできることってそれくらいだし…。よく覚えてないけど、木花咲耶姫様がきっと助けてくれるって信じてたから」
主さまが小さく笑って息吹の頭を撫でていると、晴明がのそりと屋敷の奥から出て来て、銀が浮かべている微笑に高千穂での首尾を悟った。
「では私も同行しようかな。どうなったか知りたいからね」
「父様!うん、一緒に来てっ」
すぐ晴明の傍に駆け寄って行ってしまった息吹にむっとした表情を浮かべた主さまは、銀の尻尾がまた動かなくなったので、緊張しているのだと知って尻尾をつねった。
「若葉が待っている。早く戻るぞ」
真実を、告げなければ――

