普段の息吹ははつらつとしていつつも可憐で可愛らしいが、木花咲耶姫は妖艶でいて艶めかしい。
ゆらりと起き上がった木花咲耶姫は、最初茫洋とした表情で辺りを見回していたが、晴明を視界に捉えると、口角を上げて微笑んだ。
「妾を起こしたのは、そなたか」
「起こしてしまい、申し訳ない。あなた様から呼びかけられた、と私の娘が話していました。真ですかな?」
同じようにやんわりと微笑んだ晴明をじっと見つめていた木花咲耶姫は、自身の…息吹の両手の掌を見つめながら、それを肯定した。
「そうじゃ。珍しくも強く何かを願っておった。何度も妾に呼びかけてきた故、加勢してやろうと思ってな」
「ありがたい。では簡単に今までの流れをお話いたしましょう」
晴明が銀と若葉とのことを話している間、木花咲耶姫は言葉を挟むことなく耳を傾けて腕を組んでいた。
だが話が終わると含み笑いを浮かべてやれやれと首を振ると、晴明を不安にさせた。
「木花咲耶姫様…?」
「神との対話を望む、と?妾も神だが、その上におわすのは、人だけでなく妾ら神をも作り出した御方じゃ。妾らは創造神とお呼びしておる。その創造神に願いを請う…ということじゃな?」
「はい。もうそこに縋るしかない、と。どうかあなた様の力添えを」
「ふむ…高千穂か。わかった、妾もやってみよう。これからしばらくの間、瞑想に入る故話しかけるでない」
深々と頭を下げた晴明は、木花咲耶姫から距離を取るようにして離れて座り直して背筋を正した。
見つめているうちに木花咲耶姫…息吹の身体から淡い光が滲み出て、とても神聖な気持ちになった晴明は、同じように瞳を閉じて高千穂へ想いを馳せる。
耳鳴りがするほど集中力が高まった中、突然その光が爆発して、白い光が空を駆けて飛んで行った。
がくんと息吹の身体が揺れて床に倒れ込むと、晴明が顔を覗き込んで安否を確認した。
「息吹…?木花咲耶姫様…?」
「…妾の力は、必要なかったかもしれぬ。成功したぞ…そして妾は再び眠ることにしよう。なに案ずるな、この者の身体を乗っ取ろうとは思っておらぬ」
ほっとした晴明が息を吐き、身体から発していた光が収まると、ようやくいつもの息吹らしい表情が戻った。
「成功、したのか。銀よ…そなたの強い願いは届いたぞ」
神をも動かす願いは、叶うのか――?
ゆらりと起き上がった木花咲耶姫は、最初茫洋とした表情で辺りを見回していたが、晴明を視界に捉えると、口角を上げて微笑んだ。
「妾を起こしたのは、そなたか」
「起こしてしまい、申し訳ない。あなた様から呼びかけられた、と私の娘が話していました。真ですかな?」
同じようにやんわりと微笑んだ晴明をじっと見つめていた木花咲耶姫は、自身の…息吹の両手の掌を見つめながら、それを肯定した。
「そうじゃ。珍しくも強く何かを願っておった。何度も妾に呼びかけてきた故、加勢してやろうと思ってな」
「ありがたい。では簡単に今までの流れをお話いたしましょう」
晴明が銀と若葉とのことを話している間、木花咲耶姫は言葉を挟むことなく耳を傾けて腕を組んでいた。
だが話が終わると含み笑いを浮かべてやれやれと首を振ると、晴明を不安にさせた。
「木花咲耶姫様…?」
「神との対話を望む、と?妾も神だが、その上におわすのは、人だけでなく妾ら神をも作り出した御方じゃ。妾らは創造神とお呼びしておる。その創造神に願いを請う…ということじゃな?」
「はい。もうそこに縋るしかない、と。どうかあなた様の力添えを」
「ふむ…高千穂か。わかった、妾もやってみよう。これからしばらくの間、瞑想に入る故話しかけるでない」
深々と頭を下げた晴明は、木花咲耶姫から距離を取るようにして離れて座り直して背筋を正した。
見つめているうちに木花咲耶姫…息吹の身体から淡い光が滲み出て、とても神聖な気持ちになった晴明は、同じように瞳を閉じて高千穂へ想いを馳せる。
耳鳴りがするほど集中力が高まった中、突然その光が爆発して、白い光が空を駆けて飛んで行った。
がくんと息吹の身体が揺れて床に倒れ込むと、晴明が顔を覗き込んで安否を確認した。
「息吹…?木花咲耶姫様…?」
「…妾の力は、必要なかったかもしれぬ。成功したぞ…そして妾は再び眠ることにしよう。なに案ずるな、この者の身体を乗っ取ろうとは思っておらぬ」
ほっとした晴明が息を吐き、身体から発していた光が収まると、ようやくいつもの息吹らしい表情が戻った。
「成功、したのか。銀よ…そなたの強い願いは届いたぞ」
神をも動かす願いは、叶うのか――?

