「息吹、帰りが遅くなるから先に寝ていてくれ。…高千穂へ行って来る」
「え…潭月さんとお義母様に会いに行くの?それだったら私も…」
「お前が一緒に行くと面倒なことになる。端的に用件を伝えて戻って来る」
「主さま…若葉のことで高千穂に行くんだよね?どうするつもり?」
銀が高千穂へ通い始めてから、主さまはよく縁側で瞑想するようになった。
もしくは昼間に晴明の屋敷へ出かけて何か話をしているのも知っていた。
仲間外れにされた気分になった息吹が主さまの着物の袖を掴んで離さないでいると、主さまは囲炉裏の前に息吹を座らせて声を潜めた。
「俺たち鬼族は古代より存在した。ただの妖にはできないことも、手順を踏めばできることがある。親父はその方法を知っている。俺も知ってはいるが…やったことがないから心許ない。俺の予想だが…若葉を失えば、銀は荒れる」
「うん…私もそう思う。主さま、若葉のことを気遣ってくれてありがとう。私も明日は父様のところに行って一緒にお祈りしてるから」
やわらかい微笑を浮かべて抱きしめてくれた主さまを百鬼夜行に送り出した息吹は、その後も子供たちと若葉の世話に追われて1日を過ごし、頻繁に遠出をする銀が帰って来ると、お茶を差し入れしてから2人が一緒に居る時間邪魔をしないように心がけた。
また若葉も銀が自分のために何かしようとしていることに気付いている様子だったが、それを問うても答えてくれるような素直な性格をしていないことを知っているので、一緒に居られる時間を毎日とても楽しみにしていた。
「雪ちゃん、父様のところに行って来るからお留守番をお願いね」
「ああわかった。銀の奴もう行ってしまったのか?若葉が無茶しないように気を付けとく」
快く請け負ってくれた雪男が火傷しないように着物の上からそれをぎゅっと握って笑いかけると、雪男が頬を赤らめながら抱きしめてこようとしたので、それを華麗に躱した息吹は、舌を出して屋敷の前に止まっていた無人の牛車に乗り込んだ。
「父様…主さま…銀さん…一体何をしようとしてるんだろ…。私に何か手伝えることはないのかな…」
胸に手をあてて祈ると、仄かに胸が熱くなったような気がした。
「え…潭月さんとお義母様に会いに行くの?それだったら私も…」
「お前が一緒に行くと面倒なことになる。端的に用件を伝えて戻って来る」
「主さま…若葉のことで高千穂に行くんだよね?どうするつもり?」
銀が高千穂へ通い始めてから、主さまはよく縁側で瞑想するようになった。
もしくは昼間に晴明の屋敷へ出かけて何か話をしているのも知っていた。
仲間外れにされた気分になった息吹が主さまの着物の袖を掴んで離さないでいると、主さまは囲炉裏の前に息吹を座らせて声を潜めた。
「俺たち鬼族は古代より存在した。ただの妖にはできないことも、手順を踏めばできることがある。親父はその方法を知っている。俺も知ってはいるが…やったことがないから心許ない。俺の予想だが…若葉を失えば、銀は荒れる」
「うん…私もそう思う。主さま、若葉のことを気遣ってくれてありがとう。私も明日は父様のところに行って一緒にお祈りしてるから」
やわらかい微笑を浮かべて抱きしめてくれた主さまを百鬼夜行に送り出した息吹は、その後も子供たちと若葉の世話に追われて1日を過ごし、頻繁に遠出をする銀が帰って来ると、お茶を差し入れしてから2人が一緒に居る時間邪魔をしないように心がけた。
また若葉も銀が自分のために何かしようとしていることに気付いている様子だったが、それを問うても答えてくれるような素直な性格をしていないことを知っているので、一緒に居られる時間を毎日とても楽しみにしていた。
「雪ちゃん、父様のところに行って来るからお留守番をお願いね」
「ああわかった。銀の奴もう行ってしまったのか?若葉が無茶しないように気を付けとく」
快く請け負ってくれた雪男が火傷しないように着物の上からそれをぎゅっと握って笑いかけると、雪男が頬を赤らめながら抱きしめてこようとしたので、それを華麗に躱した息吹は、舌を出して屋敷の前に止まっていた無人の牛車に乗り込んだ。
「父様…主さま…銀さん…一体何をしようとしてるんだろ…。私に何か手伝えることはないのかな…」
胸に手をあてて祈ると、仄かに胸が熱くなったような気がした。

