車に乗ること約15分。

家の前に車が止まる。



「夏恋。」


車の窓を開け、夏恋に手招きをすると
夏恋が、車へ近づき車に乗り込んだ。


「奏太。どうかしたの?」

助手席に座る社長に気づいていない
夏恋が俺に尋ねる。


すると


「こんにちは。君が、夏恋ちゃん?」

っと、助手席から社長が夏恋に挨拶をした。


「あ、はい。夏恋です。こんにちは。……えっと……?」


誰?というような表情の夏恋が
社長を見つめる。


「あぁ、申し遅れました。瀧澤芸能事務所、社長の瀧澤武瑠と申します。」


社長は自己紹介をしながら名刺を渡した。