午後3時。病室。
ベットの横のカーテンを開けると、病院の入口へつながる道が見える。
病気になってから、学校にも行けなくて時間が余っちゃう毎日。
だからいつも窓から、お兄ちゃんが病院に来てくれるのを見てるんだ。
2階から加奈子が見てるなんてお兄ちゃんは気づいてない。
いつも加奈子の前では強くて、優しいお兄ちゃん。
…だけど、窓から見えるお兄ちゃんはいつも苦しそうな顔してた。
そんなお兄ちゃんのこと、すごく心配してたんだけど…。
でもね、最近。
お兄ちゃんはすごく優しく笑うようになった。
それは
「あ、来た!」
今日だって──…