そしてあたしの瞳を覗きこんで、少しだけ笑う。
その笑顔は隼人の向こうに見える桜のような優しいもので。
視線が混じり合った瞬間、小さく頷いた。
「せっかく会えたのに悪いけど、ちょっと莉子と行きたい場所があるからまた後でな」
え…?
「えー!!俺も莉子ちゃんと出かける~!!」
「なんだよ抜け駆けか?」
「悪い、夜にはカフェ行くから」
バラバラの反応にも、隼人が動じることはない。
「行くぞ」
「あ、うん」
隼人に腕を引っ張られるまま、校門を出た。
「もー、早く帰ってきてよー!!!」
藤堂君が叫ぶ声が背中に聞こえていた。
行きたい場所…
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