殺気に満ちあふれた瞳
それはまるで、本物の黒い虎のようだった…
────・・・
SIDE莉子
「急いでくださいっ」
「あと少し、頑張ってください!!」
ワゴンを押すような音、人が走る足音、
騒がしい音が遠くに聞こえる…
「………」
ぼんやりと、あたりが明るくなっていく。
ここは…
病院?
「…あっ、莉子ちゃん!!目覚めたっ?」
「とう…どうくん?」
心配そうにあたしを覗きこんでいる。
「良かった~~~~!!!みんな、莉子ちゃん起きたよ~!!!!」
藤堂君がうれしそうに手を握る。
マスターと服部さんが駆け寄ってきた。
「莉子ちゃん、大丈夫?具合は?」
「…大丈夫、です」
「それなら良かった。怪我もしてないみたいだし、ほんと無事で良かった」