ガタン… 突然、ユキ君が立ち上がる。 「ユキ君!?」 あたしが呼んでもユキ君は一切こちらには目もくれない。 そのままユキ君はふらついた足取りのまま、部屋を出て行ってしまった。 「ちょっと、待って!!」 慌てて後を追いかける。 「…っえ?」 けれども後ろから手を掴まれた。 「先生…」 「今はそっとしといてあげなさい」 先生は俯いたまま、首を振った。 ユキ君… 「はい…」 返事と共に押さえつけていた腕が緩んだ。