せっかく貰った手前、正直に食べれないとは言えない。 「いや、ありがとう」 「いえいえ」 自宅に持ち帰って、苦いコーヒーと一緒に食べよう。 そう思いながら、着々と仕事をした。 「お疲れさまでした」 「「お疲れ様でしたー」」 定時に仕事を終え、 家へと向かう。 紙袋の中を少しだけ覗くと、 中はシフォンケーキのようだった。 上には粉砂糖がたくさんかかっていて、いかにも甘そうで。 思わず苦笑いしてしまった。