【短】おまじない

「ごめんね、望。

洋子ちゃんから聞いたおまじない、

まさかこんなすぐにきくとは

思わなかったの。



お札に名前を書くとね、その人と人生を交換こ、できるんだって。

私、望になりたいって書いちゃったの。



洋子ちゃんは妹と交換こしたって言ってた。

洋子ちゃんの体は死んじゃったけど、洋子ちゃんの魂は妹の体を乗っ取っちゃったんだって。

うふふ、おかしいでしょ。

洋子ちゃん、9才になっちゃったんだから。

だから一人で病院に来るわけにもいかなくて、私とはメールのやりとりだけ。

お札は封筒に入れて送ってくれたの。

小さい子の字で笑っちゃった。





私、双子に生まれてきてほんとよかった。


洋子ちゃんは5つも下の妹として生きなきゃならないけど、


私は望として生きるだけだからそんなに変わらないもの。







私、これから望の人生を生きられるの。


なんかわくわくしちゃう。





望は今まで十分健康で生きてきたからいいでしょ。


だって私たち一緒に生まれてきたんだもん。


私たちは二人で一人。


交換こしたっていいよね」





喪服に身を包んだ少女はうつむいていた。


その顔は涙をこらえているというより、笑いをこらえているかのようだった。