「もしかして寝てた?」

「・・・うん」

玄関を開けると私の部屋着姿を見てトモが言った

「今日、休み?」

「仕事だったよ。疲れちゃって・・・」

トモが私の部屋に居るのは久しぶりすぎてなんだか不思議だった

並んでソファに座って
しばらくの沈黙の後トモが言った

「俺、本当にお前が哀しむようなことしてないから」

私は黙って聞いていた

「泊めてくれた相手の子は、俺の事好きで。正直、ちょっと利用したっていう部分はあるんだけど」

「利用って何?体を?」

トモの言葉にカッとなって思わず口調が荒くなる

「違うよ!部屋を利用させてもらったって事」

「ねぇ、ホントに!?ホントに何もないの?その子がトモに気があるなら誘われたりしなかったの!?」

「誘われたよ、一緒に寝ようって言われた。でも、俺はソファで寝た」

本当なのかな・・・

「ねぇ、じゃあなんでメールでハートなんて使うの?私には使ってくれないのに」

「それは、色々あって。その子、俺の世話になってる先輩の妹なんだよ。だからあんまり素っ気なくするのもマズイと思って。それで」

私は

トモの目をじっと見た
もしかして
本当に何もなかったのかもしれない

「つぐみも、ハート使ってほしいの?」

「・・・え?」

トモの声がちょっとだけ甘くなった

「ハート、入れて欲しい?」

さっきよりもっと甘い声を出して
トモは

私の唇をふさいだ