それで安達くんに連れられて今、カフェにいるというワケなんだけど…

「弟だったんだな」

「えっ、ああそうなの」

「噛んだんだな」

「!!」

「歯形、見て直ぐに解った。きっと荒川だなって」

何も言えない…

今すぐこのカフェに穴を掘って隠れたい

だって、処女の噛みつき女が成人している自分の弟の手首にまで手を出したんだよ

間違いなくドン引きだよ

あっ一層、掘った穴に安達くん埋めてしまおうか

血迷った事を考えていると安達くんが話し出した

「あのさ」

「なに?」

「俺、荒川に謝らないといけない事があるんだ」

「謝る?ああ、もういいよ。私、全然気にしてないし」

嘘、めっちゃ引きずってる癖に

「そうじゃなくて…」

「そうじゃなくて…?」