私はあの日から

安達くんの部屋から帰った日から、安達くんにとにかく会わないように気をつけた

一層、転職しようかとも考えた

だって私はあの日、安達くんに拒否られたワケだから

やっぱりみんな処女の噛みつき女は引くんだな

私だってそう思うもん

そんなめんどくさい女はごめんだって

だから、もう二度と安達くんと顔を合わせたくなかった

違うか

合わせる顔がなかったんだ

だけど今、私はこうして安達くんと向かい合って座っている

本当の事を言うと、さっき耳元で安達くんに囁かれた時

一気に心拍数が上がってしまった

顔が赤くなってるのも自分でも解ったし

何よりも手首を見たわけでもないのに

これだけ体温が上がり動揺してしまう自分に戸惑っていた

だから広海が帰った後もちょっとボーッとしてた

通用口前でみんなも見るし、早く帰ろうって思うのに中々そこから動けなかった