秘密な関係

平日とか関係なく、八階時計宝飾品売り場はいつでも閑散としている

修理コーナーへ向かうと、知った顔があった

私と同期の安達くん

無表情であまり愛想のない安達くんがどうして接客業をしているのか不思議だ

私はいつもの笑顔を振り撒きながら

「電池交換お願いします」

と言った

「はい、かしこまりました。時計お預かりしてよろしいでしょうか?」

とほぼ棒読みで言う

び、ビックリ

お客様にもこのテンションなんだろうか?

一度も同じ売り場で働いた事ないから知らないけど致命的だよ、これ

それでも私は笑顔を絶やさない

奥に時計を持っていくと安達くんは直ぐに戻ってきた

何だ、安達くんが電池交換するんじゃないんだ