そう聞かれて私は、小さく頷いた。
私は、彼を一君(いちくん)って呼んでる。
一君は私がお店に来る度に、優しく話しを聞いてくれるんだ。
嫌な暗い話しをしてる最中なのに、私のお腹がグーグーと鳴った。
恥ずかしくなって顔を真っ赤にして俯いてた。
そしたら一君が優しく聞いてきたんだ。
「奈々佳ちゃん、お腹空いてるの?」
「うん。……何も食べてなくて……聞こえたよね!?」
クスクス笑いながら一君が私を覗き込む。
覗き込まれて自分の顔が更に真っ赤になった。
「もちろん聞こえた。なら何か作ってあげるよ♪ 何が食べたい?」
「和風パスタが食べたいかな?」
「オッケー!! カウンターに座って少し待っててな♪」
一君が私ににっこり笑いかけてから、厨房の人に声を掛けた。
