「じゃあ、僕たちはこれで」
兄が萌の腰に手を回して部屋に入ろうとしてた。
「ちょぉぉぉおおっと、待った!!」
とぼけようとする兄の肩を、逃すまいとかとつかむ。
しかし、これを許してはイケないのだ。
「なんですか、葵さん?」
笑顔を貼り付けているものの、イヤイヤということが手に取るようにわかる。
旅館に戻った早々だ。
もう一度お湯を楽しむ暇もなく、事件勃発。
「も、申し訳ないんですけど、どちらかお二人はアイツと同室に…」
事件……そう、部屋割りだ。
到着して早々、一行は三つの二人部屋を荷物置きぐらいにしか使わず、湯船に向かった。
そのまま卓球場と宴会場に向かったため、簡単な荷物を持ってずっと出歩いていたわけだ。
もちろんアイツというのは、彼女のこと。
このまま兄と萌が部屋に入ってしまったら大変なことになるのだ。
「あはは、イヤです」
返ってくる言葉はわかっていても、怯むわけには行かないんだ。
「そこをなんとか……っ」
「ちょっと!勝手に決めないでよ!?」
食い下がったオレの背後から、ガツンと後頭部を殴られているような声が響く。
その主は確認しないでもわかる。
「いいから、お前は黙ってろ!」
振り向き様に言い放つと、不機嫌そうな彼女。
頭ごなしに否定すれば、より一層険しい顔つきになる。
兄が萌の腰に手を回して部屋に入ろうとしてた。
「ちょぉぉぉおおっと、待った!!」
とぼけようとする兄の肩を、逃すまいとかとつかむ。
しかし、これを許してはイケないのだ。
「なんですか、葵さん?」
笑顔を貼り付けているものの、イヤイヤということが手に取るようにわかる。
旅館に戻った早々だ。
もう一度お湯を楽しむ暇もなく、事件勃発。
「も、申し訳ないんですけど、どちらかお二人はアイツと同室に…」
事件……そう、部屋割りだ。
到着して早々、一行は三つの二人部屋を荷物置きぐらいにしか使わず、湯船に向かった。
そのまま卓球場と宴会場に向かったため、簡単な荷物を持ってずっと出歩いていたわけだ。
もちろんアイツというのは、彼女のこと。
このまま兄と萌が部屋に入ってしまったら大変なことになるのだ。
「あはは、イヤです」
返ってくる言葉はわかっていても、怯むわけには行かないんだ。
「そこをなんとか……っ」
「ちょっと!勝手に決めないでよ!?」
食い下がったオレの背後から、ガツンと後頭部を殴られているような声が響く。
その主は確認しないでもわかる。
「いいから、お前は黙ってろ!」
振り向き様に言い放つと、不機嫌そうな彼女。
頭ごなしに否定すれば、より一層険しい顔つきになる。