「りりは……なんかできるの?」


「ちょっ、めーちゃんひどいよっ。いくら自宅暮らしでも、何にもしてなかったわけじゃないよっ」


「そうなの?じゃあ、いろいろ任せるよ??」


「へーきへーきっ!大船に乗ったつもりでいて★」



そこでどうして本気にしちゃったんだ、私は…。








「めーちゃんめーちゃんめーちゃんっ」


「なにっ!?人の名前を連呼して、どうしたの!?」



名前を何度も呼ばれて、お風呂場へ駆けつける。



「めーちゃん…っ」



涙目でこちらを見上げる少年。


彼の手に握られたシャワーに、先っぽがなかった。



「シャワーの細長いあの部分が、取れちゃった…」


「あれはね、ノズル、ていうの。これから先の人生のために覚えときなさい。ていうか、なんで学ラン着たまんま、掃除してんの!?袖とか裾とか泡だらけじゃない!」


「うん、寒い…っ」



アホの子!




「めーちゃんめーちゃんっ、助けて!!」


光輝の学ランの上を剥いでワイシャツの袖を巻いてやり、裾を折ってやっていると、今度はキッチンの方から名前を呼ばれた。