ナンバー達はざわつきはじめ、それぞれの作戦を練りはじめた。
「何をしているの?」
「やられるのを待つだけじゃダメだろ? 俺達は戦士だ。こっちから先制攻撃をしかけるんだ」
ほぼ全員がそれに同意した。その内の数人が同意しなかったのは、腹の中に子を宿しているからだった。
「こっちからの攻撃はしないわ。あくまでも人間社会に、あたし達の存在を認めさせなくてはいけないのよ。今ここで人間を殺してしまえば、二度と認めてはもらえないわ!」
説得するように叫ぶと、乗り気でないものはやはり罵倒を浴びせてきた。
だがオーデンはそれに屈せず、また叫んだ。
「仲間を守りたいのはわかる! だけどこれから産まれてくる子供達の未来を先に考えて! 今すべき事は何なのかを!」
全員が黙り込んでしまった。オーデンは自分の事よりも、産まれて来る子供達のために住みやすい場所を作らなければならないと、そう言いたい事が伝わってくる。

