途中にある交差点の信号待ちをしていて、やおら青に変わって歩き出した途端、 ドンッ――――――――――。 後ろからの強い衝撃により、俺はそのまま転んだ。 ただでさえ日差しで暑かった俺は、背中に負った小さな傷の痛みに気付かなかった。 「痛ぇーよ、何なんだよオイ…。」 「大丈夫かい?」 後ろから能天気な、低くて嗄れた声がした。 .