「い・・・ちょ・・・沖田隊長!!!」

隊士に呼ばれてはっとする。

「なに?どうしたの?」

「いえ、そちらはいつもの巡察の道ではない故・・・・」

「ああ、そっか。」

僕はいったいどこに向かうつもりだったのだろうか?

そんなとき頬に冷たいものを感じる。

「雨だ。」

少しずつ降り始める雨。

きっと、もっとこれから強くなるだろう。

「君たちは急いで帰っていいよ。」

「しかし隊長は?」

「僕は少し寄り道してから帰るから。」

「わかりました。」

走っていく隊士たちの後ろ姿を見送る。

僕もゆっくりと歩き出す。