手がぶつかって、私は吉永くんを見た。

吉永くんはブルーを見ていた。


「ねえ、何でブルーを飼おうと思ったの?」


「ん?捨てられていたブルーが近付いてきたから。で、守ってやろうと思った」


「そっか、ブルーは吉永くんに拾われて幸せだね」


「どうだろうな~」


ブルーを撫でる手が止まった。


「幸せにしたいと思っても、出来ないこともあるし」


窓を見た。

雨は強くなってきていて、窓を叩いていた。


ブルーは寝たようで私の膝の上で丸くなっていた。


ブルーから伝わってくる温かさが心地良かった。