「はい」

「綿谷んちはこっち?」

いきなり呼び捨て…まあ、同い年だからいいけど。


「うん、宮下くんちも?」

「いや、俺はこれから悠希んちに行くんだ」

やっぱり友だちなのかな?


「もうすぐテストだから、悠希に数学を教えてもらうんだよ」

宮下くんはニッコリ笑った。

宮下くんのファンが見たら、きっとときめく笑顔だ。

かっこいい人だな。


「へえ~」

適当に返事しておこう。


「綿谷は数学得意?」

「苦手…かな」

「じゃあ、一緒に悠希に教えてもらおうぜ」


はい?


断ったのに…宮下くんに無理矢理連れられて来てしまった。