「えっと…何でかな?」

私にも分からない。


多分この高田さんから逃げるためだと思うけど。


「悠希、遅い…」

高田さんは吉永くんを待っていたけど、予鈴が鳴ったので隣りの教室に渋々戻って行った。


吉永くんは遅刻して来て、1時間目が始まる頃に教室に入って来た。


今日はいつものように空を見ない。

机に顔を伏せている。


もしかして…寝てる?


1時間目が終わって、2時間目が始まっても…顔は伏せたままだった。


「おい!吉永、起きろ!」

先生に頭を叩かれ、ゆっくりと顔を上げた。