左手の手袋を外して、その手を差し出して、優しく笑う悠希がいた。


私は右手の手袋を外して、悠希の横に行った。


そして


手を繋いだ。


繋いだ途端、引っ張られた。

手袋をしている悠希の右手が私の顎をあげた。


顔が近付いて、そっと唇が重なった。

温かくて優しいキスだった。


唇が離れ…目を合わせて、笑う。


「帰ろう」



手を繋いだまま、歩いた。


いつも悠希の背中を追っていた。

並んで歩けることが嬉しい。



一生忘れられないクリスマスと17才の誕生日。



-end-