悠希が出てきた部屋は『国語』というプレートがある教務室。

ここにいるのは何人かの国語の先生方。


そういえば…


前に屋上の鍵を古典の佐田先生に返していた。

それと関係があるのだろうか?


偶然、悠希の居場所を発見してしまった。

教室に戻ると予鈴が鳴った。

悠希は既に自分の席にいた。


「さっき国語の教務室にいた?」

だるそうに頬杖付いていたけど、目が丸くなった。

「何で?」


「そこから出て来るのを見たから…」


「やっと見つけたわけ?」



えっ?

やっと?


「朋花が俺を探していると健吾に聞いたから」