「ごめ~ん!ちょっと遅くなっちゃった」


薫さんが慌ただしく入ってきた。


「快を見てくれてありがとう!」


「俺、いつの間にか寝てしまって…ずっと朋花が見てくれてた」


吉永くんは頭をポリポリ掻きながら、私を見た。


一瞬目が合って、ドキッとした。


「朋花ちゃん、ありがと~~」


薫さんは私の手を両手で握って、ブンブンと振った。


「そうだ!お礼に悠希と映画でも観てきて!チケット代はあたしが出すから」


「「えっ!?」」


薫さんの提案にビックリして、吉永くんと声が重なった。