「なぅっ!!」

何度目になるか分からないやり取りで子猫は文句の言葉をあげた。

あたしも貴も頭に水をかけられたかのように冷静になった。


「……この子が決めればいいよ。ねぇ、ユイ」

子猫の頭を掻き回して名前を呼ぶ。

「にゃあ」

タシタシと音が響く。気に入ったようだ。


「これからよろしくな、ユイ」

貴はゆっくりとユイの頭を撫で、抱え上げた。


「そうだね、よろしく。ユイ」