「貴、こっち向いて?」

「なぁに……」

凄く眠たそうな顔を此方に向ける貴にあたしはカメラを向けた。


「今日の作品っ!!ザ・寝起きの貴亮くんっ!!」

「作品じゃないじゃん」

無意識に眉を真ん中に寄せて呟く貴亮に笑いかけた。


「何事も思いこみだよ」

「…そんなもんかな?」

「そんなもんだよ」

ははっと笑うあたしに貴も笑っていた。



カメラの口からはポラ写真が吐き出されていた。あどけない、幸せそうな寝起きの君を映し出した写真。


「あたし、貴の事大好き」