「キャプテン、お疲れっす~。
おっ!いいの持ってるじゃないすか!」
「ラッキー」とつぶやきながら俺の手にあったポカリを飲む。
「おい!真司。
それ、さっきもらったばっかで、俺まだ飲んでないのに・・・・」
「まあまあ、まだありますよ!
てか、なに物思いにふけってるんすか?」
鞄をもう一度担ぎなおして、真司は歩き始めた。
俺も歩き始める。
「・・・・・。」
答えられない俺を見て苦笑い。
「もしかして、優羅?」
その名前を聞いたら、嫌でも体が反応する。
おもに心臓、とか。
そして、うらやましくなる。
『優羅』と普通に呼べる立場にいる真司が。

