「調子乗るんじゃねぇよ、このチャラ男が」


そう言うと、難波薫子は一人で颯爽と歩きだした


「ちょっ、待てよっ!!」


難波が睨み付ける


「ま、待ってください…」


直ぐに難波に追い付き、並んで歩き出すオレ

今日のオレは怖いものなしだ

勢いに任せて肩を抱く


ドスッ


脇腹に肘鉄食らう

仕方がないから、諦めようとしたら


「ほらっ」


って難波が手を出した


喜んで手を取るオレを

きっと難波には尻尾を振りまくる犬に見えているだろう

構うもんか

ギュッと握りしめると

ほんの少し、握り返してくれた気がした

オレの本気の恋は始まったばかりだ