──楓side──



「…あ、楓。そのタコさんウィンナーちょーだい」


突然タコさんウィンナーをかわいくおねだりしてきた唯。



似合わないおねだりの仕方だなー……


「うん、いいよー」



でも断る理由はないのでタコさんウィンナーを箸でつまみ、唯の口の中に放り込もうとした。



するといきなりドアが大きな音を立てて開いた。



あたしと唯がドアの方を向くとそこには口を開けたまま立ち尽くしている雅輝がいた。


「……?雅輝どした?そんなに慌てて」


一旦唯の口元から箸をよけ、雅輝の方に身体を向けた。



「え……いや、なん、だったっけ。忘れちまった」


あははとわざとらしい笑顔を作る雅輝。


その雅輝の様子を怪訝に思いながらももう一度タコさんウィンナーを持ち直し、今度こそ唯の口に放り込んだ。