「へぇー」


ふむふむ頷きながらメロンパンをかじっている。



器用だな、こいつ。


「ていうかそういう唯こそ好きな人、いるの?」

「……好きなやつ、はいないな」

「ふーん……」



つまんない。もしいたらからかってやろうと思ったのに。




「…あ、でも。楓好きだよ」

「うん、あたしも唯好きだよ」



唯は優しいし、たまにおもしろいし友達にはもってこいだ。


それに、なんとなくだけど雰囲気が千春に似てる気がする。



なんていうか父親?みたいな感じ。



他愛ない話をしながらお弁当を食べることを再開した。