「なに?唯。……て、あ。友達2人じゃないや。祥もだ」
ふと思い出した祥の存在。
ばれたら泣かれそう…と思った。
……いや。絶対泣くであろう。
「楓だめじゃん。友達忘れたら」
「…ん、まああまり気にすることない、と思う」
それと拓巳は友達に入るのか微妙なところだ。
真剣に悩んでいると担任の呆れた声が聞こえた。
「真田、お前昼飯いいのか?さっきまであんなに騒いでたくせに」
「騒いでません」
「………」
なぜか無言で憐れみの目を向けられた。
「……楓、やばいぞ」
なぜか切羽詰まった様子の唯があたしの肩を叩いてる。
「……唯痛ぇって」
「あっ!……ごめん。でも昼休みあと10分しかない…っ!」
もはや半泣き。
「ふーん…10分ね」
だからなんだと言うんだ。
「ご飯食ってねぇじゃん!ふーん、じゃねぇよ!ふーん、じゃ!」
これはもう悠並にうるさい。
「…10分で食べればいいじゃん」
「無理だ─────ガラッ
遮られた唯はクルリとドアの方を見た。
そんな唯につられ、あたしも何気なくドアに目を向ける。

