軽く睨むと苦笑しながらあたしの頭を撫でてくれる。 千春の手は安心出来る手。 少し頬を緩めるとキラキラした目で見てきた藍都。 「………楓かわいいっ!もともとかわいいけど笑ったほうがもっとかわいいっ!」 そんなことを言って抱きついてきた藍都を千春はすかさずひっぺ剥がした。 「楓はやんないよ?俺が認めた相手しか楓とは結婚させてやらないって決めてるから」 王子スマイルで藍都に言い放った千春にあたしの口からはため息しか漏れなかった。