夢を見た。




幼かった頃の夢を。





純君はやっぱりどこからどう見ても女の子で、私の横で一緒におままごとをしてる。





「アリサちゃん、次はアリサちゃんがお母さん役やっていいよ!」




そう告げて、プラスチックで出来た玩具の包丁を手渡そうとする。




『お母さん役なんてやらないよ。』





姿は可愛らしい女の子なのに、発する声は成人男性の声に私は驚く。





「アリサ…ちゃん?」





そう尋ねる私にアリサちゃんは、首を振る。





『アリサってもう呼ばないで。俺の名前は純だから。』





一瞬瞬きをした隙に目の前にいたはずのアリサちゃんの姿はもうなくて…




「アリサちゃん!?」





『だから、純だってば。』




後ろから聞こえて来た声に驚いて振り向くとそこには純君の姿があって、私に近づいて来る。





『花梨ちゃん。』





私を呼ぶ通る声…