“覚悟しておいて…”




覚悟って一体どうすれば!?




答えに困った私に純君は笑みを絶やさず、話し掛ける。




『ひとまずその話は置いといて、部屋の片付けしなくちゃね。花梨ちゃんも手伝ってくれるでしょ?』




そう言って目の前にある段ボールに手をかける。





その隙に私は純君の前を通り抜けて部屋を飛び出した。





『花梨ちゃんっ。』






後ろから呼ぶ声がしたけれど、構ってられない。





階段から転がり落ちるんじゃないかって位のスピードで駆け降りて、そのまま玄関へ向かう。




靴に足を入れた瞬間…





ガシっ






腕を捕まれて振り返った。