急いで花梨ちゃんの姿を探すけれど、どこにも見当たらない。



家までの帰り道をひたすら走ってみても、追い付かない。



いや、追い越した?
それとも近道とかあったのか?



花梨ちゃんを見つけられないまま家までたどり着いてしまった。



…花梨ちゃんの家に挨拶がてら押しかけるかな。



とりあえず汗だくだし、着替えてからだな…




そう思って、階段を駆け上がる。




『純〜?帰ったの?お父さんは?』




下から母さんの声が聞こえてきたけれど、答える事なく部屋へ戻る。



段ボールだらけの部屋を見て、ひとつため息をついてから着ていた上の服を脱いだ。




ピンポーン…



あれ…父さんもう帰って来たのかな?




そう思いながら、服を閉まっていた段ボールはどれだったかなと、ひとつずつ開けていく。