『さっき純君とキスしたらすごく幸せな気持ちで一杯になって……

もっとたくさん触れることが出来たら、あの時のイヤな感触も早く忘れられるかもって。』






「それって……でも無理にそんな事してもしさらに深く傷ついたらどうするの?
また声が出なくなったらどうするの!?」





傷がさらに深くなる可能性の方が強いかもしれないのに。





『私が、声が出なくなったのは…あの出来事だけが原因じゃない。

もうダメだって思った時純君が助けてくれて……すごく嬉しかった。

けど同じくらいショックも受けてたの。

好きな人以外に触られてもあんな声っ……』





苦しそうな表情で話すから、もういいって言おうとした。



けれど、瞳には強い決意のようなものが見える。