グイッと涙を拭って、


『俺先生呼んでくる!
おばさんもロビーにいるから!』





踵を返そうとした純君の腕を掴んだ。





先生より、おかあさんより




先に伝えたい言葉があるの。






「純君、大好き…。」






伝えたい言葉はたくさん溢れてくるのに




涙が溢れて出てきて上手く伝えられない。





『花梨…?』






「やっぱり…っく…離れるなんて…無理ッ!!」





もっと上手に言えればいいのに。





純君にもう自分を責めないで。

私はもう大丈夫。



ずっと一緒にいてほしい。





純君がこれ以上不安にならない言葉をたくさん伝えてあげたいのに。