母さんから連絡が来たのは学校からの帰り道だった。




『花梨ちゃんが純に会いたがってるらしいから、行ってあげて。』





電話でそう言われて、立ち止まり言葉が出ない。





『もしもし?聞こえてる??』





「あ、ああ。」





昨日会いに行って、拒否されたばかりなのに?





「…何で会いたいか聞いてない?」





『そんなの会いたいからに決まってるでしょ。いい?遅くならないうちに行ってきなさいよ!』





電話を切ってからも、しばらく動けなかった。





花梨が入院してからおばさんはもちろん母さんも毎日花梨の所へお見舞いに行っていた。




でも俺は、行きたくても行けなかったんだ。