病室へ戻って少ししてお母さんが家へと帰る時間になった。




『何か欲しいものとかある?』





私は首を横に振った。





『そう…じゃあまた明日くるわね。』





病室を出るお母さんの背中を見て胸が痛んだ。





お母さん、たった2、3日ですごくやつれたね…





私にすごく気を遣ってくれてるのがよくわかる…。





ごめんね…





心配かける事になっちゃって……





私がもっとしっかりしていれば……





誰もいない個室の部屋で、声を出そうと何回か試みた。





なのに、どうして出てきてくれないの?





みんなに心配かけたくないのに……






お母さんにも心配かけてごめんねって言いたいよ。





あんまり気を遣わないでって…
いつものお母さんみたくふざけた事いって私をからかってよって…





純君との事で冷やかすお母さんに戻ってって、言ってあげたいのに。




「……っ……!!」





どうして…出てこないの?