若先生の車の中は聞いたことのない洋楽が小さな音量でかかっていた。




「若先生、公園で何してたんですか?」




晴れた公園に、1人スーツ姿は違和感があった。




だって若先生…ホストみたいにも見えるから。




『医師会主催の学会だったんだ。でもつまらなくて途中で抜けてきた。』




車の速度がゆっくりと落ちていき赤信号で止まった。



前を向いてた若先生が、ゆっくりと私を見て続ける。



『フラフラ歩く花梨ちゃんらしき子見かけて、それで確かめる為に車から降りてみたんだ。』




「そうだったんですか…」



すごい偶然。途方にくれてた私の前に現れたのが若先生だなんて。




青信号になって若先生はまた前を向き車を発進させた。




『…花梨ちゃんはどうして1人で公園にいたの?』