捻った足を擦りながら途方にくれていた時だった。




『…花梨ちゃん?』




声をかけられて見上げた先にはつい最近まで毎日会っていた人の姿があった。




けれど、いつもと違うのは、服装。




スーツ姿にピシッとまとめられた茶色い髪。




「若…先生?」




白衣姿の時とは一瞬別人に見えて思わず問いかける。



慌てて流れっぱなしだった涙を拭って立ち上がる。




「痛っ!!」




右足に鋭い痛みが走ってよろける体を若先生が受け止めてくれた。




『足、また捻った?…だから泣いてたの?』




そのまま腰に手を回されたまま問いかけられる。




「ごめんなさい。せっかく治してもらったばかりなのに…」




そういう私に若先生は、頭を撫でてくれた。




『またしばらく通院しなくちゃね!今平気?すぐ診てあげるよ。』