手を繋ぎ会場のテニスコートへと向かう。




フェンス越しに聞こえるボールを返す音。




すごい懐かしい。




『結構見に来てる人いるね。』




市の運営するテニスコートに学生以外にも見物してる人達がチラホラいた。




『…純?』




名前を呼ばれて振り返った先にいたのは…




「京香。久しぶり…。」




懐かしい友達の姿。




『ウソ…。なんでここに?』




驚いた顔で手に持ってたラケットを胸に抱え込み尋ねてくる。




「ここ俺の住む町。豊から連絡あってさ。応援に来たんだよ。」




キュッっと握ってた手を強く握り締められはっとする。




「花梨、前の学校で同じテニス部だった京香。
京香、この子俺の彼女の花梨。みんなに彼女出来たこと知らせたくて連れて来たんだ。」




笑ってお互いを紹介する。



『初めまして。雨宮花梨です。』




どこか緊張した面持ちで笑いながら、挨拶をする花梨。




『―ッ。豊達呼んでくるね!』